依頼者より自分の面子が大事な田中清弁護士
例の銀座ファースト法律事務所について、ある弁護士が次の指摘をしていた。
田中清弁護士は、医療裁判で被告となった病院の代理人となった。
その訴訟の途中で、証人の医師に事前の打ち合わせを申し入れた田中清弁護士は、そのさい失礼な言動をして医師を怒らせてしまった。この事実に関しては、当の医師が文書にしている。病院の代理人をしていた弁護士の先生は大嫌いで、何故かというと「失礼な人」だから。
その医師の証言は、原告の患者の訴えを裏付けるものであり、これが大きく影響して被告病院の弁解が排斥される判決となった。田中清弁護士の側は敗訴。
ところが、法廷で田中弁護士は不可解な尋問を医師にしていた。
「事前の打ち合わせを拒否したのは、医学的に客観的で公正な証言をしたいから、ということなのですね」
「その通りです」
というやり取りだった。
これでは、医師の証言が田中弁護士の依頼人にとって不都合であっても、医学的な見地から客観的で公正な証言をしたから信用すべきということになる。なんてバカな質問を田中弁護士はしたのだろうか。
おそらく、こういうことだ。
田中清弁護士は、自分が代理人をする病院に有利な証言をさせようとしたけれど「失礼な人」として証人を怒らせてしまい、これでは裁判が不利になってしまうと焦ったはずだ。
それで、証人の医師としては、あくまで医学的に公正で客観的な証言をしたいから事前の打ち合わせは拒否した、ということにしたくて誘導尋問した。
つまり、失礼なことをして証人を怒らせる大チョンボをしたことを隠したかったのだろう。自分の大失態を隠す方が、依頼者より大事ということだ。
たしかに、こんな失態では敗訴よりも面子にかかわる。しかし依頼者より自分の面子という弁護士は、いかがなものか。やはり元高裁判事だからか。