元高裁判事の田中清弁護士（東京弁護士会）銀座ファースト法律事務所長は、事務所のホームページで、依頼人からの苦情について、それは悪意ある人が風説を流布したものであるという弁解をしていた。

ただ否定するだけなら、どれだけの説得力があるかの問題であるが、そうではなく悪意ある人とは誰かと実名を挙げて攻撃していた。しかし、その風説には銀座ファースト法律事務所の内部事情が具体的に含まれていて、経営に田中清弁護士の配偶者が関与しているとか、その女性の趣味は声楽であるとか、頻繁に出入りして内部事情を詳しく知っている人でなければありえない風説だった。

事実でなければ話は別であるが、その実名を挙げた人は事実を知っているのか問題だ。

それで銀座ファースト法律事務所は、ホームページの記述を原因に名誉毀損で裁判に訴えられたが、銀座ファースト法律事務所は矛盾だらけの抗弁をした。

まず風説を流布したのは原告であると思うと言った。つまり被告田中清弁護士の主観的印象だけということだ。これが裁判で弁護士の言うことなのかと誰でも呆れるだろう。では、風説の中に含まれている銀座ファースト法律事務所の内部事情は事実なのか。これを求釈明されても田中清弁護士は答えなかった。答えるわけにはいかなかったというのが素直な解釈だろう。事実なら、これを関知しない原告の仕業だなんて有り得ない、ということになりかねず決定的に不利だから。

そして事実であるとしたら、それを原告は知っているのか、あるいは知り得る立場なのか。これにも田中清弁護士は答えなかった。銀座ファースト法律事務所の従業員だったけれど円満退職でなかった人がいて、その人が原告に内部事情を伝えたという可能性についても、田中清弁護士は否定した。これを認めてしまったら、原告の仕業である可能性はあるものの、原告の仕業としか考えられないという自らの主張を自ら否定することになるからだろう。

こうなると、あくまで田中清弁護士の主観的印象だけであり、他に有り得ないということでもなく、なのに断定的に公言した銀座ファースト法律事務所、という結論となる。

こうして、田中清弁護士の抗弁は破綻した。

ところが田中清弁護士は、裁判所に対して、自分は元高裁判事であり退官後の政府筋の仕事を請け負っている立場であると最初から強調しており、だから忖度を宜しくということらしいが、これを強調するために原告に対して保守派の教育学者の書いた道徳に関する論文を読めと上から目線で言った。

まともに抗弁せず、求釈明も無視して、逃げに終始しながら、争点とも法律とも無関係の説教を裁判所で語る田中清弁護士は、どういうつもりだったのか。どうみても、ワタクシのような上級国民サマに対して、アンタのような下賤の民は、どんな不当なことをされても裁判に訴えるなんてマネは許されん、ということではないか。

そして実際に判決は、銀座ファースト法律事務所は訴えられた後でホームページを書き換えているので、最初から書き換えた後のように書くつもりだったので違法ではないという、凄まじいほど偏向どころか八百長そのものだった。

傍聴人が何人か来ていたそうで、中には銀座ファースト法律事務所を前から知っているという人もいたらしい。一様に驚き呆れていた。当然のことだろう。裁判官に出世亡者の如何様判決常習犯=吉戒がいたことも影響したはずだ。

なるほど、総理ベッタリ元TBS山口敬之がお咎めなしとなったうえ、商売で権力に媚びる雑誌に出て「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と恥も無く嫌らしい言葉を投げかけている日本の現実について、銀座ファースト法律事務所の田中清弁護士のことを併せて見れば納得できるというものである。田中清弁護士は山口敬之元TBS支局長と真に「同じ穴の狢」である。

このような現実があったのだから、銀座ファースト法律事務所はホームページに嘘を載せても大丈夫というこしになるし、そんなものを閲覧するさいは眉に唾を付ける必要がある。そう思う人か大方であろう。

こうなるのも田中清弁護士の自業自得である。不注意だったと謝り和解でも求めれば、どんな裁判官も和解金と口外しない条件で決着してくれるはずである。それを権力にすりよって横柄な態度で逃げるから悪意だと見做され、不誠実な弁護士の法律事務所だと評価を受けて信用を無くすのである。